FACTORY900(ファクトリー900) スタッフ松本セレクトの限定カラー「RED CHERT(レッド チャート)」について
おはようございます。
TOKYO BASEの帰路に着いてから高崎らしいものを食べそびれたことに気付いた方・スタッフ松本です。
松本、無事にTOKYO BASEへ帰還いたしました!
初めてGUNMA BASEへ出張させていただいた2日間、沢山の方にお会いすることが出来ました。
あっという間でしたが、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
また、快く迎え入れてくださった剣持さんをはじめGUNMA BASEの皆様にも大変お世話になりました。
ご来場くださった皆様、そしてGUNMA BASEの皆様、本当にありがとうございました(*´∀`*)
さてさて本日は、わたくしスタッフ松本が初めて手掛けた限定カラーについて。
今回のブログに合わせて店長に撮ってもらった美麗な写真と共に、ご紹介させていただきます。
わたしの待ち受け確定です!
少々長くなりますが、お付き合いいただければ幸いです。
「FA-143 col.RED CHERT (レッドチャート) 」松本セレクト限定カラー ¥40,000(税別)
サイズ52mm 鼻幅18mm レンズカーブ6カーブ テンプル長130mm
「FACTORY900の中で一番好きなモデルは?」と聞かれた時、真っ先に思い浮かぶモデルがあります。
それは、わたしの中での不動のエースで、唯一持っている大文字でもある「FA-143」
いつも小文字をかけているわたしのエースが大文字ということを意外に思われるかもしれませんが、FA-143はわたしがFACTORY900の格好良さに気付くキッカケをくれた、思い出深いモデルなのです。
入社当時、FACTORY900初心者だったわたしは、FACTORY900のデザインを見て「凄い!」と圧倒されるばかりで、「格好良さ」を感じるまでにはわたしのレベルが足りておりませんでした。
変化があったのはスタイルサンプルを撮っている時。
早い段階でFA-143を撮る機会があり、いつものように店長周りをぐるぐる回りながら見せ場を探していた時、わたしの中で「これ!この角度!物凄く格好良い!」とピタリとハマった瞬間があって、そこで初めて、FACTORY900の格好良さを心から実感することになります。
野生の獣のような佇まいから目が離せなくなり、メガネフレームに対してそんな感想を抱いたことに驚きました。
FACTORY900は、青山さんの人を感動させるメガネを作りたいという思いから始まったブランドで、まさにその時、思惑通りに、わたしも心を動かされたのです。
この時の衝撃は今もわたしに根付いていて、それを気付かせてくれたFA-143は、今でもわたしにとっての特別なモデルです。
このように、モデル選びについては迷う隙間など一ミリもなかったわけなのですが、すぐに途方に暮れることになります。ここまでたくさんのアセテート生地を目の前にしたことが初めてなら、生地選ぶこと自体も初めてで、何から始めていいのかさっぱりわからない。
ということで、すぐさま福井にいる田村さんに助けを求めた次第です。
曰く、「大切なのはコンセプトを決めること。それから自分らしさを忘れずに」
自分らしさというものは、言葉にするのも具現化するのも難しいですよね。
わたしの今は、ここに立つまでに経験したものの集合体で、それならわたしがメガネ屋になる前にやっていたこと、生きていた場所をモチーフにしようと考えました。
今回わたしがコンセプトにしたのは「赤い石」
カラーには「RED CHERT (レッドチャート)」という名前をつけました。
実は松本、幼稚園の頃から恐竜が好きで、メガネ屋になる前は大学院まで地質学を勉強しておりました。
実際に研究していたのは恐竜の化石ではありませんが、在学中は福井の博物館で発掘のアルバイトをしたり、単身モンゴルの恐竜発掘ツアーに参加してみたりと、様々な体験をしてきました。
その後も不思議とモンゴルには縁があり、研究室の先生の手伝いでゴビ砂漠にも行き、最終的にはモンゴルの岩石を研究対象とすることになります。
モンゴルでは恐竜の化石が沢山発見されていますが、陸に住んでいた動物だけでなく、サンゴやプランクトンといった海の生き物の化石が見付かる場所でもあり、わたしはそのプランクトンの化石を研究していました。
そこで研究対象としていたのが、今回のカラー名の由来でもある「レッドチャート」です。
チャートという岩石は主にガラスのような成分で出来ていて、その岩石が作られた環境や含まれる化学元素によって色が変化します。わたしが研究対象としていたチャートの中で、プランクトンの化石が多く見付かるのが赤い色をしたもの、レッドチャートだったんですね。
本来のチャートはもっと均質な岩石で、花崗岩のように大きな結晶は見られません。しかしモンゴルで見つかるチャートは、砂による風化侵食や熱による変成を受けて、色が変わりひび割れていることが多いです。
ガラスの様な赤の上に歴史をのせた破砕の跡というイメージでリアルさを追求した結果、想像以上に石っぽさを表現出来たのではないかと思います。
また、コンセプトと並行して、FA-143のレギュラーカラーは落ち着いたものが多いので、せっかくならはっきりした柄を取り入れて、明るい色にしたいとも思っていました。
メインとなる赤を選ぶ時に気をつけたのは、赤過ぎないこと。
ご覧いただくとこのカラー、透け感のある赤のため、一見ピンクにも見えます。
コンセプトと違うじゃないと思われるかもしれませんが、わたしがイメージしたのは燃えるような赤ではなく、トーンを少し抑えた程良い赤。
もっと赤々としたものも考えたのですが、透明感のある濃い赤は光が透けて頰に赤が映り込み過ぎて、FA-143のどっしりとした佇まいを崩してしまうような気がしたので、掛けて肌色と馴染んだ時に完成する赤にしたかったのです。
生地選びのさらなる紆余曲折については、是非TOKYO BASEにて笑
それから、今回こちらをご注文いただいた方には、オリジナルのセリートをお付けいたします。
別注カラー同様、わたしが少し前まで生きていた場所を表現してみました!
今回、徹頭徹尾やりたいと思ったことを好きな様にやらせていただきましたが、その分些細なことでも悩んで自問自答する日々。
店長は、「今回は今までみたいに手助けはしないよ。そのかわりに、自分の好きなようにやってみなさい」と言ってくれていて、わたしが迷う度、悩む度に、「迷ったら、自分がやりたいと、楽しいと思う方を選んだらいいよ」と、何度も背中を押してくれました。
そして、自由にやることを許してくださり、とんでもなく忙しい中でテンプルまでしっかり作ってくださったデザイナーのお2人と工場長。FACTORY900のみんなが協力してくれたので、今回わたしが心から作りたいと願ったものを形にすることが出来ました。
わたしの周りにいる方々は、本当に頼りになる素敵な人ばかりです。
これまでは過去のことを調べていて、今は未来のメガネを見つめていて、それが福井で繋がっていて。わたしはとてもとても不思議な縁でここにいるんだなと、今回の別注カラーを通して改めて感じています。
一生に一度あるかないかという大変貴重な機会をいただいたので、わたしの今までも含めて好きなように、でも精一杯の想いを込めて、今回のFA-143をつくりました。
わたしの思い描いた赤が、皆様の心を少しでも揺り動かすカラーになっていれば嬉しいです。
有難いことに、本数は残り僅かとなっている様です。
商品のお問い合わせはGUNMA BASEへお願いいたします!
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