福井県鯖江市 メガネの歴史と青山眼鏡 その2
おはようございます、店長です。
下の写真は青山眼鏡の最寄り駅「大土呂駅」からの写真になります。
今年1月の福井出張の際に撮ってみました。
一眼レフで撮っていないのが悔やまれます(泣)
今度は横着せずに一眼を持って福井に行ってきます・・・
さて、今日も昨日に引き続き青山眼鏡の歴史にせまります。
増永五左衛門が眼鏡づくりを決心し、県内で初めてメガネづくりを始める。
そのとき、従兄弟にあたる青山彦左衛門は?
今日もこの「さばえ人物ものがたり」(下巻)より、その歴史を辿っていきたいと思います。
河和田で分工場スタート
生野の五左衛門が、めがねづくりに踏み切ったことを知った彦左衛門は、さっそく仕事場を訪れ、勉強を始めました。持ち前の手先の器用さとまじめな性格から着々と技術を習得していきました。そうして河和田地区からは、沢田五郎吉、内田玉吉、丹羽徳松、大平金治らが次々と増永工場に入り、活躍し始めます。
生野と河和田とは、直線にして10キロメートル余りの距離で、ぜひ地元で仕事を広めたいと考えた青山彦左衛門は、明治40年になると、自ら申し出て沢田五郎吉らといっしょに河和田の青山家に分工場を開設しました。
その時、地元で織物の"サス"(杼、よこ糸を通す道具)を作っていた山本為治は手先の器用さを買われて分工場に入っています。
このようにめがねづくりは、福井県の生野が発祥の地ですが、増永家と青山家の関係、河和田地区からの出身者が多く増永工場で働いていたなどの深いつながりがあって河和田が"第二の発祥地"といわれるようになりました。(※1)
また「めがねと福井」 産地100年のあゆみには次のように記載されています。
河和田から優秀職人
生野で産声を上げた眼鏡づくりが、鯖江市に広がったのはどうしてだろうか。
発祥地をしのぐ一大産地に成長した鯖江産地を知る人の多くは、素朴な疑問をもつ。
眼鏡史の権威で「福井県眼鏡史」「越前めがね」など数々の著書がある大坪指方さん(78)=鎌倉市在住=は、その理由を次のように説明する。「五左衛門の母、せのは、旧河和田村小坂(現鯖江市河和田町)から増永家へ嫁いできた。せのの実家に当たる青山彦左衛門は、手先の器用な人物で、五左衛門が眼鏡づくりを始めたと聞き、生野の工場へもちょくちょく顔を出していた。その時、小坂でもやってみようかと言い出したらしい」
明治40年ごろである。増永工場は、職人衆も増え、活気に満ちていた。文珠山の西すそに当たる生野と、河和田は、"地縁"も深く、親方や優秀な職人として沢田五郎吉、山本為治、丹羽徳松、大平金治ら河和田出身者が活躍していた。
五左衛門は青山彦左衛門の申し出に、沢田、山本、大平、丹羽らを河和田に送り込み、眼鏡づくりを始めた。
「福井めがねの発祥地は河和田という説もあったが、増永分工場の開設が誤り伝えられたに違いない。増永家と河和田の人々の血縁が、鯖江に眼鏡製作をもたらした」(※2)
最後に、青山彦左衛門について「さばえ人物ものがたり」ではこのような言葉で締めくくっています。
めがねづくりの種をまいた増永五左衛門・幸八兄弟、彼らの意気込みに賛同した河和田の青山彦左衛門、努力を重ねて技術を学んだ一期生らの熱い思いは、脈々と引き継がれ、『鯖江』を世界有数のめがね産地にまで成長させたのです。(※3)
つまり現社長の曽祖父にあたる青山彦左衛門もこの鯖江にめがねづくりを生業として根付かせた功労者の1人だったんですね。
こうのように1つ1つ歴史を紐解いていくと非常に感慨深いものを感じます。
ワタクシ個人的には眼鏡屋の息子として生まれ、この眼鏡業界にお世話になり20年。
そして青山眼鏡に入社し、その青山眼鏡の過去には眼鏡づくりを福井の地に根付かせた人物が・・・
なにか、こう・・・熱いモノを感じますね。
きっとデザイナーの青山をはじめ、社長にはモノづくりの熱い血が流れているんだと思います。
青山が幼少期に現会長から言われた「オマエ達の代で世界を目指せ」
この資料を目を通しながら、以前青山から聞いたこの言葉を思い出します。
代々受け継がれている"青山の血"
この血こそがFACTORY900の原点なのかもしれません。
2日間に渡ってご紹介した「福井県鯖江市 メガネの歴史と青山眼鏡」いかがでしたか?
いつも何気なく皆さんが使用しているメガネ。
そのメガネには先人たちが築き上げた深い歴史があります。
今後もこの店長ブログを通してメガネの歴史にも触れていきたいと思います。
出典 さばえ人物ものがたり(下巻) 平成23年2月20日 編集・発行 事務局 鯖江市教育委員会文化課
※1 P73-P74 ※3 P76
めがねと福井 産地100年のあゆみ 2005年10月1日 編集・製作 株式会社 福井新聞社 発行 社会法人 福井県眼鏡協会
※2 P28-P29
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