FACTORY900を語る。
- 澤
- 女性モノですね。近未来的なデザインって、女性用には向かないんだけど、それを青山さんだったらカタチにできると思うんです。
- きっと、面白くなるはず。
- 青山
- アイディアはあるんですけど、なかなかタイミングが難しいですね。
- それに、同じような形で、サイズ違いで何種類か出しました、みたいなことはしたくないので……。
- 今は、スケッチを書き溜めているところです。
- 澤
- 期待しています!
- 伊藤
- ちなみに、書き溜めていたスケッチを実際にカタチにしようと思う時には、何かきっかけがあるんですか?
- 青山
- それは、気分次第といえば気分次第なんです。
- たとえば、2007年に出したマスクについて言えば、スケッチ自体は2003年に書いていたんです。
- それをなぜ2007年に出したかといえば、みんなに背中を押してもらったというか、今だったら出してもいいかなっていう感覚があったというか。
- それは自分なりに時代を見ているのかもしれないし、コレクションのなかでのバランスなのかもしれないし。
- 澤
- 商品化はタイミングも大切ですよね。早すぎてもダメですし。
- 青山
- でも僕自身は、今売れている旬なものと2年後に売れ始めるものと、そんなに違うのかっていう思いもあって。
- その時に売れそうなものを作るなんてことは決してしていなくて、「自分はこれでいく」っていうのを常に打ち出しているつもりなんですね。
- でも、以前はかなりとんがっていたものでも、2年後はそんなにとんがっていないなって感じたり。
- 阿部
- 周りに類似したものも増えてきたりしますから。
- 青山
- 時代みたいなものを動かしていくというか。「眼鏡の概念」だったり、「眼鏡ってこういうものでいいんじゃないか?」っていうのを広げていくのは、こういうことなのかなって考えたりしますね。
- 伊藤
- では最後に、阿部さんがファクトリー900に望むことは?
- 阿部
- 僕は、これからさらに大きくかかってくるだろうプレッシャーに負けないでほしいと思います。デザイナーって、ある意味アーティストみたいなものだから、そういうメンタルな部分って大事でしょう。だから、そのへん力を抜いて。初心というかね。
- 最初売り出した頃の気持ちに戻れるようなスタンスでいてくださいという感じです。しっかり、地に足をつけて、ファクトリーらしいモノ作りをまっとうしてください。
- 青山
- はい。今日は、皆さんどうもありがとうございました。
(掲載日: 2009年9月17日)